7周年記念イベント「ABLab Eclipse 7 〜宇宙で輝く人生のつくり方〜」開催レポート

7yearsABlab

2025年8月23日(土)、宇宙ビジネスの実践コミュニティ「ABLab」は、設立7周年を記念するイベント「ABLab Eclipse 7 〜宇宙で輝く人生のつくり方〜」をX-NIHONBASHI TOWERで開催しました。会場には宇宙に関心を持つ多様な人々が集まり、ABLabの歩みを振り返るとともに、会員による挑戦や特別ゲストによるトークセッションを通じて、宇宙と人生を重ね合わせる深い学びの場となりました。

イベントの様子を写真と共にお届けします。

イベント概要

日時:2025年8月23日(土)15:00~19:00
会場:X-NIHONBASHI TOWER(日本橋三井タワー7階)
主催:一般社団法人ABLab
イベントページ:https://ablab-eclipse-7.peatix.com/

プログラム

  • 15:00 オープニングトーク「ABLab 7周年を迎えて」
     一般社団法人ABLab 代表理事 伊藤真之
  • 15:20 ABLab会員による実績報告
    • 【宇宙開発をシンプルに】環境試験のワンストップサービスで加速する未来
       SEESE株式会社 代表取締役 棚田和玖
    • 【宇宙×伝統工芸】西陣織を使った次世代宇宙服「VESTRA」が創出する価値とは
       ファッションデザイナー 佐藤あずさ
  • 15:50 トークセッション「宇宙で輝く人生のつくり方」
     武井亜樹 氏
  • 17:00 交流会
  • 19:00 終了

登壇者

  • 伊藤真之 一般社団法人ABLab 代表理事
  • 棚田和玖 SEESE株式会社 代表取締役
  • 佐藤あずさ ファッションデザイナー

特別ゲストスピーカー

  • 武井亜樹 氏

イベントの様子

オープニングトーク「ABLabの7年間の歩みと実績」

代表理事の伊藤真之より、7周年を迎えたABLabの歩みとビジョンが紹介されました。ABLabは「地球上のすべての業界を、宇宙産業に巻き込む」という理念のもと、2018年の設立以来、会員発の法人設立15社以上、宇宙業界への就職・転職15名以上という成果を積み重ねてきました。また、ABLabが大切にする文化として「リーダーシップよりフォロワーシップ」「2人目・3人目が現れる環境づくり」が紹介され、デレク・シヴァーズの「社会運動の起こし方」から学んだ考え方をシェアし、共感を得た会場からは大きな拍手が起こりました。ABLab創設の際も、伊藤の挑戦を後押ししてくれた2人目の存在があったから、思い切って前に進めたと明かしました。

TED – デレク・シヴァーズ: 社会運動はどうやって起こすか

※必要に応じて、日本語字幕を表示してご覧ください。

ABLab会員による実績報告

続いて、ABLab会員による成果発表が行われました。

【宇宙開発をシンプルに】環境試験のワンストップサービスで加速する未来

登壇者:SEESE株式会社 代表取締役 棚田和玖
棚田和玖からは、2019年にJAXAのS-Boosterを受賞してからこれまでの6年間の歩みを報告し、環境試験を一括して提供するSEESE株式会社の取り組みが発表されました。放射線試験や民生部品の信頼性データベースの構築など、宇宙開発の効率化を目指す事業展望が語られ、スタートアップならではのスピード感と可能性を示しました。

【宇宙×伝統工芸】西陣織を使った次世代宇宙服「VESTRA」が創出する価値

登壇者:ファッションデザイナー 佐藤あずさ
佐藤あずさからは、日本の伝統工芸と宇宙開発をつなぐ取り組みが紹介されました。大阪・関西万博関連会場で展示され14万人が来場した西陣織の宇宙服コンセプトモデル「VESTRA」の報告や、西陣織との出会い、今後の展示予定が共有され、最後に日本の文化資産が宇宙で果たすであろう役割について語り、多くの関心を集めました。
関連記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000166430.html

特別ゲスト・武井亜樹氏トークセッション「宇宙で輝く人生のつくり方」

本イベントのハイライトとなったのは、特別ゲスト・武井亜樹氏を迎えたトークセッション「宇宙で輝く人生のつくり方」でした。東大卒、経産省勤務、Prime Video『バチェロレッテ・ジャパン』への出演を経て、宇宙分野に挑戦し続けるという異色かつ力強いキャリアを歩んできた武井氏。モデレーターの伊藤からの質問に対し、自身の経験を振り返りつつ、人生と宇宙ビジネスを切り拓くヒントを次のように語りました。

  • 途方もなく大きな目標も、「小さな達成の積み重ね」で線にしていく
    • すぐには実現できそうもない大きな夢も、要素分解して小さな目標に変換していくことが大切。その上で、目の前の課題を一つひとつクリアし、小さな成功体験を積み重ねることで、それらはやがて一本の線としてつながっていく。経産省での経験や番組出演など、バラバラのように見える挑戦も、「点を線にする感覚」で取り組んでいると不思議と全てが繋がってくる。
  • 周囲の批判は、「2:6:2の法則」を前提に受け止める
    • どんな挑戦にも賛否はつきまとう。必ず反対する人たちと、必ず賛成してくれる人たちが、常に2割ずつ存在する。真ん中の6割の人たちの反応を見ることが大切。批判する2割の声は大きく聞こえてしまうので、聞く必要のない意見に心を乱されないよう気をつけるべき。正当な評価をしてくれる6割の人たちに、自分の行動によって価値を示し続けることが大切。この視点があることで、批判に消耗せずに挑戦を続ける力を持てる。
  • 波が来たときに全力で乗れるよう、平時に実力を蓄える
    • 人生のチャンスは突然訪れる。そのチャンスを逃さず、全力で挑戦することが大事。そのためには、普段から準備を怠らず、自分を磨いておく必要がある。自身も、思わぬ形で訪れたテレビ出演や宇宙分野での機会を掴むことができたのは、日々の積み重ねがあったから。
  • 宇宙エリートとも「人として対話」し、補完関係を築く
    • 宇宙業界には確かに天才やレジェンドと言われるようなすごい方々がゴロゴロいる。しかし、肩書きや実績に臆するのではなく、一人の人間として対話する姿勢が大切。誰しも人間なので、優れている面もあれば、苦手な面もある。自分の強みを発揮し、相手を補完する関係性を築くことが、長く続く協力関係につながる。

参加者は真剣に耳を傾け、一つ一つに共感を得てうなずく姿がとても印象的でした。武井氏のお話は、宇宙ビジネスのみならず、自分の人生をどう切り拓くかを考える上で大きな示唆を与えるものとなりました。

武井氏の著書「私だけの輝く人生のつくり方」:https://amzn.asia/d/fAK1zSU

イベントの締めくくりには、登壇者4人によるトークセッションが行われました。
テーマは「宇宙で輝く人生の作り方」でしたが、堅苦しい議論ではなく、笑い声も交じる終始あたたかな雰囲気のなかで進みました。

「始め方の話」「チャンスを掴む話」「人との繋がりの話」というお題が与えられ、それぞれのエピソードや大切にしている考え方などが語られました。

ABLabの文化についても話題にあがりました。「フォロワーシップがリーダーを生む」という考え方に象徴されるように、誰かが一歩踏み出したときに、それを支える2人目・3人目が自然と現れる。そうした心理的安全性と、挑戦を後押しする空気が、コミュニティに流れていることが語られました。ABLabという環境が自分に味方し、「プラス補正」がかかることで自分の実力以上の力が発揮される、そんな文化があるからこそ、これまでに多くの会員がチャンスを掴んできたという実例も共有されました。

さらに、複数の領域や職を掛け持つ会員同士がつながることで、ネットワークが広がり、思いがけないコラボレーションが生まれること。外部の人材や機関とも協調しながら、「宇宙」という共通の目標に挑む土壌があることも紹介されました。

笑いと共感が飛び交うセッションを通じて、ABLabが「単なるコミュニティ」ではなく、人生を前向きに切り開くためのチャンスを育む場であることが改めて感じられる時間となりました。

左から、SEESE株式会社 代表取締役 棚田和玖、ファッションデザイナー佐藤あずさ、武井亜樹氏、ABLab代表理事 伊藤真之

まとめ

全体を通じて、「宇宙ビジネス」という枠を越えて、人生の歩み方や挑戦の仕方について多くの気づきが共有されました。
ABLabの会員が織りなす実践的な取り組みと、ゲストからの人生哲学的な視点が交わり、参加者それぞれが自分のキャリアや生き方に投影できる学びを得る場となりました。

7周年を迎えたABLabは、これからも「地球上のすべての業界を、宇宙産業に巻き込む」という理念のもと、挑戦と実践の場を提供し続けます。

ABLabのイベントへの参加方法

ABLabでは毎月このようなイベントを開催しています。次回以降のイベントに参加したい方は、ABLabのPeatixをフォローしてください。イベント公開時に通知を受け取ることができます。Peatixをフォローしていただき是非お申込みください。