アストロスケール岡田光信氏が見出した「夢に挑む現実的な方法論」

way to predict the future

アストロスケール岡田さんの書籍を読んだら、そこには夢に挑むための現実的な方法論が書いてありました。極めてシンプルな方法論として言語化した岡田さんは本当にすごい。皆にも読んでもらえたらいいなと思って、僕が感じたことなどにも触れつつ、紹介したいと思います。

アストロスケールとは

アストロスケール社はご存じですか?おそらくこのブログを読んでいる方のほとんどは知っていると思いますが、念のため紹介します。

アストロスケールは、宇宙ゴミ(スペースデブリ)の除去サービス実現に向けて挑戦している企業です。実は地球の周りには無数の宇宙ゴミが散らばっていて、それが秒速7,8キロメートルという、弾丸よりも早いスピードで飛び回っているのです。宇宙ゴミは今も増え続けており、このまま放置すると人工衛星等の事故リスクもますます高くなってしまいます。

とはいえ、無数のデブリをどうやって除去するのか?誰がお金を払うのか?

そのような技術的にもビジネス的にも難易度の高い課題に挑み、150億円を超える資金調達、世界4拠点の国際展開など、着実に前進している日本を代表する宇宙ベンチャーがアストロスケールなのです。

そして、CEOの岡田さんは「Forbes JAPAN起業家ランキング」で1位に選ばれています。まさに日本を代表する宇宙ベンチャーであり、日本を代表する起業家なのです。

夢に挑む現実的な方法論とは

この本は、人生に行き詰まり、何者にもなれていないことに焦り、もやもやとした日々を送っている人に向けて書いたものだそうです。

岡田さん自身、39歳で突如「中年の危機」に陥り、やりたいことすらもわからずにもがく時期があったそうです。そんな中、「宇宙」という夢を見出し、宇宙ゴミの除去という難題に挑戦することを決意し、今は世界が注目する宇宙ベンチャーの経営者として活躍しています。

この本には、もやもやから抜け出し自分の夢を見出す方法、そしてその夢に着実に近づくための具体的な方法として、岡田さん自身が見出した方法論がまとまっています。

それが、「夢想力」「孤考力」「広動力」の3つです。

夢想力、孤考力、広動力

岡田さんは書籍の中で下記のように述べています。

”私の思考・行動の様式は、「ワクワクするようなあるべき姿を夢想力で定め、孤考力×広動力で現実に実現する」という方程式でまとめることができる。この型ができると、自分を超えつづける生き方ができる。”

ポイントは、夢想力、孤考力、広動力という3つの力です。

  • 「夢想力」として、自分だけの具体的な夢を定義する方法が書かれています。
  • 「孤考力」として、どんなに大きな課題でも、細分化して解決可能な粒度に落とし込み、少しずつ前進していく方法が書かれています。
  • 「広動力」として、圧倒的な行動量で課題を前進させていく方法が書かれています。

 

この方程式は本当にすごい。夢に挑む方法論が、こんなにもシンプルな方程式で言語化されていることに、僕は感動しました。

僕にも夢があるし、僕の仲間もそれぞれ夢を持ってる。あるいは夢を見つけようとしている。僕らABLabはワクワク先行でがむしゃらに走り出していたけど、これからはこの方程式で整理できる。まさに先輩の後を追うように、ぶっ飛んだ挑戦で世界を動かしていきたいと思っています。

アストロスケールとABLabの共通点

実は僕がこの本に感動した理由は、「方法論」の他にもう一つあるのです。

それは、アストロスケールもABLabも、「最初の手持ちのカードは夢だけだった」ということです。今は豊富なカードを持ち合わせているので、できることはどんどん増えています。しかし、最初はたった一枚のカードからスタートしたのです。

アストロスケール創業時、岡田さんは宇宙に関する知識も人脈もほとんどない状態からのスタートでした。あったのは夢だけ。そこから多くの人を共感で巻き込み、世界を巻き込むスケールへと拡大している。

ABLabも同じです。僕が宇宙に興味を持ったのは2018年1月。当時は知識ゼロ人脈ゼロでしたが、勉強しているうちに夢が生まれ、そしてABLabが生まれました。ABLabの構想を考えていた時、僕にあったのは「地球上の全ての業界を、宇宙産業に巻き込む」という無謀な夢だけでした。

レベル1の素人が「魔王を倒して世界を守る」と叫んでいるようなものでしたが、岡田さんの方程式にあるように、めちゃくちゃ考えて、めちゃくちゃ行動していくと、状況は変わっていくものです。

僕が今までABLabでやってきたことが、この岡田さんの本で見事に言語化されていた。そこにとてつもない感動を覚えたのです。

まとめ

アストロスケール岡田さんの書籍「愚直に、考え抜く。」には、「夢に挑む現実的な方法論」がまとまっています。

それは、岡田さんが実践してきたことであり、偶然にも僕もそれに近いことをやってABLabという組織を作っている。

つまり、この方法論は岡田さんのようなハイスペでなくても使えるんです。自慢することではないですが、僕のキャリアは極めて凡庸ですからね(笑)

「愚直に、考え抜く。」というタイトル通り、極めて愚直な方法論なのでラクじゃないです。でも僕らは別にラクしたいわけじゃないよね。キツくてもいいんだ。

宇宙というフィールドでワクワク感にあふれながら走りたいんだ。ここに着実に夢に近づく方法論もある。みんなで読んで、みんなで走り出しませんか?

投稿者プロフィール

伊藤 真之
伊藤 真之代表理事
1983年、福島県生まれ。IT業界で約10年マーケティングの経験を積んだ後、ファンブック株式会社を設立し独立。2018年、当時小学1年生の息子と宇宙の勉強を始めたことがきっかけで、宇宙ビジネスの潮流を知り、半年後に宇宙ビジネスコミュニティ「ABLab」を創設。「地球上のすべての業界を、宇宙産業に巻き込む」というビジョンを掲げ、異業種から宇宙に挑戦する人や企業を支援し、事業創出と人材輩出に取り組む。