ABLab宇宙天気プロジェクト ブログはじめます

宇宙天気タイトル

★2021/5/8にお問合せ頂いた方へ:メールアドレスに誤りがある様なので今一度,御連絡お願いします.

こんにちわ。宇宙天気プロジェクトリーダの玉置です。ABLab宇宙天気プロジェクトのブログをはじめます。このブログでは、ABLab宇宙天気プロジェクトの活動の様子や『宇宙天気』が社会インフラや私達の生活に与える影響に関する解説記事を掲載します。

『宇宙天気』は、私達の社会に対して影響を及ぼす宇宙環境の変化をいいます。私達は太陽と地球のせめぎ合いの中で生きています。太陽の表面で起きる爆発現象「太陽フレア」や「コロナ質量放出」は、美しいオーロラを私達に見せてくれます。一方で、私達の生活を脅かす可能性も示唆されています。間もなく民間の宇宙旅行がはじまり、ABLabのメンバの中には、日本で最初にサブオービタルの宇宙旅行に行く人、日本で最初に探査車を月面に打ち上げる人、宇宙におけるヘルスケアでイノベーションを起こそうとしている人等がいて、宇宙は挑戦の対象として身近な存在です。そして、宇宙が身近になる程、『宇宙天気』が必要になります。ABLab宇宙天気プロジェクトは、5年~10年ほど時代を先取りして準備を始めています。

プロジェクトのミッション
・『宇宙天気』の社会的認知度の向上
・『宇宙天気キャスタ』の創設
・『宇宙天気インタプリタ』の普及

『宇宙天気』の社会的認知度の向上

ABLab宇宙天気プロジェクトを立ち上げるときに、ABLabのメンバ(65名)に対して2つ質問をしました。

「宇宙天気を聞いたことがありますか?」・・・57%(37名)が聞いたことがないと回答。
「宇宙天気を仕事や生活で使いますか?」・・・80%(52名)が使わないと回答。

この結果から、宇宙天気とその社会影響について、まずは、多くの方に知ってもらうことから始める必要がありそうです。社会的認知度向上の為には、宇宙教育に携わる方や宇宙エンタテイメントで活躍している方の協力が必要だと考えています。

宇宙天気認知度アンケート
宇宙天気の認知度調査結果
(ABLab内、有効回答者数65名)
活躍が期待される人材

例:宇宙教育リーダ、宇宙エンタテナー

そして、宇宙天気を扱う仕事を作り出したいと考えています。ABLab宇宙天気プロジェクトは『宇宙天気キャスタ』の創設と『宇宙天気インタプリタ』の普及をミッションとしています。

『宇宙天気キャスタ』の創設

『宇宙天気キャスタ』は、宇宙天気情報をみなさんに対して正確に解りやすく伝える役割を担う未来の職業です。ABLab宇宙天気プロジェクトマネージャの斉田季実治さんは、気象予報士として天気ニュース等で活躍していますが、『宇宙天気キャスタ』を目指す一人です。斉田さんは、「宇宙利用が急速に進む今、宇宙天気が天気予報の一部として、日常的に気象キャスタが解説する日はそう遠くないでしょう。その為には、情報のわかりやすさが重要です。先に発展している天気予報の表現や伝え方を模倣するのが近道でしょう。」と話します。斉田さんの様に、現在は地球の天気を伝える気象キャスタが宇宙を対象領域として拡張していく為の準備を進めています。ABLab宇宙天気プロジェクトからプロフェッショナルな『宇宙天気キャスタ』が生まれます。

宇宙天気キャスタのイメージ
(斉田季実治プロジェクトマネージャ)
活躍が期待される人材

例:気象キャスタ

『宇宙天気インタプリタ』の普及

『宇宙天気』の社会影響を考える場合、宇宙天気の研究者だけでなく、様々な分野の専門家が必要となります。また、生活目線でのアプローチも必要となることでしょう。すべての人が宇宙天気のステークホルダとなる可能性があります。必要となる宇宙天気の情報は、それぞれの立場によって異なります。航空宇宙分野のプロであれば、放射線が機器や宇宙飛行士・航空機搭乗員に与える影響、大気抵抗による人工衛星の軌道誤差の増加を気にしますよね。電力分野のプロであれば、磁気嵐発生時に地磁気誘導電流が電力網に流れることを恐れますよね。しかし、これらの影響評価には高い専門性を要します。社会インフラの運用や私達の生活におけるそれぞれの役割を考慮して、研究者と社会の間で適切なコミュニケーションを図る役割を担う人材が必要です。この様な人材を「宇宙天気インタプリタ」と呼称しています。

活躍が期待される人材

例:社会インフラ(電力、測位、通信)運用者、人工衛星運用者、航空管制官・航空機搭乗員、防災関係者、危機管理担当者

投稿者プロフィール

玉置晋
玉置晋
宇宙天気プロジェクトリーダー。
衛星運用現場の宇宙天気インタプリタ・軌道上技術評価エンジニア。茨城大学で社会人大学院生(宇宙天気防災)。宇宙天気災害から世界を守る仲間を募集中。