【カフェバー流れ星】宇宙事業は、何から始めるべきか?〜製造業・技術ドリブン企業が宇宙参入する最初の一手〜

カフェバー流れ星

2026年1月27日(火)、宇宙ビジネスの交流イベント「カフェバー流れ星」を開催しました。今回は、「宇宙事業は、何から始めるべきか? 〜製造業・技術ドリブン企業が宇宙参入する最初の一手〜」と題し、スペースNSプラン株式会社 代表取締役の鈴木直志氏をゲストスピーカーに迎え、ABLab代表・伊藤真之とのトークセッションをお届けしました。

スペースNSプラン株式会社は、宇宙事業への参入支援や、機器開発の支援等を行う、宇宙ビジネスコンサルタントです。代表の鈴木氏は、長年宇宙産業に携わっており、現在はその知見を元に、異業種からの宇宙事業参入を数多く支援されています。

今回のセッションでは、製造業や技術ドリブン企業が宇宙分野へ参入する際に、多くの企業が直面する「最初の壁」と、その乗り越え方について、実務視点で語られました。

イベントの様子を一部抜粋してご紹介します。
(ABLab内ではより詳細なレポートも展開されていますので、ご興味ありましたら入会をご検討ください!)

トーク内容のご紹介

宇宙と地上の違いは「環境」だけ

鈴木氏がまず強調したのは、「宇宙と地上の技術の違いは、本質的には環境の違いに過ぎない」という点です。

真空、放射線、温度といった条件は異なるものの、基本的な技術や考え方は地上と共通しており、適切な検証と評価を行えば、多くの地上技術は宇宙へ転用可能だといいます。特に、自動車、医療、航空など、もともと高い信頼性を求められる分野の技術は、宇宙との親和性が高いと語られました。

最大のハードルは「技術」ではなく「マネタイズ」

異業種からの宇宙参入における最大の課題として挙げられたのが、マネタイズです。

技術的には成立しても、
「どれだけの売上規模になるのか」
「事業として継続可能か」
という点で止まってしまうケースが非常に多いとのこと。

その解決のヒントとして示されたのが、デュアルユーティリゼーション(宇宙と地上の両立活用)という考え方です。

宇宙向けに開発した技術を、地上ビジネスでも成立させる構造を最初から描くことが、事業化の現実解であると語られました。

宇宙参入の第一歩は「まず知ること」

「では、企業は何から始めれば良いのか?」という問いに対し、鈴木氏はこう答えます。

「まずは、宇宙業界を知ること」

展示会やイベントへの参加、コミュニティでの情報交換を通じて、

  • 現在の宇宙産業の構造
  • 自社技術がどこで活かせそうか
  • 宇宙だけでなく地上でも成立する可能性

このような点を整理していくことが、最初の一手になると述べられました。

ABLabのようなコミュニティを活用するのも良い選択肢であると、お勧めしていただけました(笑)

受託開発に依存しない事業づくりの重要性

日本の宇宙産業が抱える構造的な課題にも言及がありました。

特定の大企業との受託開発に依存すると、他社に展開できず、結果として事業が広がらない。
そのため、自社プロダクトとして複数社に提供できる形を目指すことが、長期的な事業成長には不可欠だと指摘されました。

宇宙事業を支える人材と、AIの役割

後半では、宇宙プロジェクトを支える人材不足の課題や、それに対するソリューションとして鈴木氏の知見をAI化した「Space Agent」の紹介・デモンストレーションも行われました。

「Space Agent」は、AIソリューションを提供する株式会社Link AI(代表取締役:安東竜平氏)と共同開発したサービスで、宇宙プロジェクトの推進をサポートするAIです。

実は、この両社の協業のきっかけとなったのが、当イベント「カフェバー流れ星」であることも明かされました。昨年の3月、安東氏にゲスト登壇いただいた回ですね。

イベントの様子
Space Agentのデモンストレーションを行う株式会社Link AI 代表取締役の安東竜平氏

まとめ

今回のトークセッションを通じて浮かび上がったのは、宇宙参入において重要なのは「特別な技術」ではないということです。

  • 自社技術をどのように活かすか、技術と課題のマッチング
  • 事業として成立させるためのビジネス的な視点
  • まず業界を知り、人とつながる行動力

どんな企業も、「宇宙業界を知ること」によって、意外なチャンスに気づく可能性を有しているのかもしれませんね。

ABLabでは今後も、様々な業界に対し、「宇宙に関わり始める最初の一歩」を後押ししてまいります。

カフェバー流れ星について

カフェバー流れ星は、宇宙ビジネスに関心を持つ人が集う交流イベントです。宇宙ビジネスの実践コミュニティ「ABLab」が運営し、宇宙の仲間作りを支援しています。

■タイムテーブル
18:40 開場
19:00 オープニング・交流会
20:00 トークセッション
21:00 再び交流会
22:00 クロージング

■今回のトークセッション
テーマ:宇宙事業は、何から始めるべきか?〜製造業・技術ドリブン企業が宇宙参入する最初の一手〜
ゲスト:鈴木 直志 氏 スペースNSプラン株式会社 代表取締役
聞き手:伊藤 真之 一般社団法人ABLab 代表理事

カフェバー流れ星への参加方法

次回以降のカフェバー流れ星に参加したい方は、ABLabのPeatixをフォローしてください。イベント公開時に通知を受け取ることができます。

投稿者プロフィール

伊藤 真之
伊藤 真之代表理事
1983年、福島県生まれ。IT業界で約10年マーケティングの経験を積んだ後、ファンブック株式会社を設立し独立。2018年、当時小学1年生の息子と宇宙の勉強を始めたことがきっかけで、宇宙ビジネスの潮流を知り、半年後に宇宙ビジネスコミュニティ「ABLab」を創設。「地球上のすべての業界を、宇宙産業に巻き込む」というビジョンを掲げ、異業種から宇宙に挑戦する人や企業を支援し、事業創出と人材輩出に取り組む。