ABLab宇宙医療プロジェクトの後藤正幸さんに話を聞いてみた
「人の宇宙生活に必要な、あらゆるプロダクトを創る」
ー宇宙医療プロジェクト リーダー 後藤正幸さんー
はじめまして、ABLabの中夷黎(なかえびす れい)です。
現在、ABLabではたくさんのプロジェクトが進行中です。どれもワクワクするものばかりです。この記事では、ABLabのプロジェクトを立ち上げ、メンバーを先導するプロジェクトリーダーの方々のお話を聞いていきたいと思います。
今回は、驚異的なスピード感で活動している宇宙医療プロジェクトについてです。プロジェクトの成り立ちや経過、今後の展望などをリーダーである脳外科医の後藤さんにお話を伺いました。
①どうして宇宙医療プロジェクトを始めようと思ったのですか?
後藤さん:私がABLabに参加したのは、2019年の頃です。もともと専門である医療分野と宇宙を結びつけてビジネスをしたいと考えていました。
ABLabに参加した当時は、宇宙×医療のプロジェクトはまだなかったので、まずは宇宙医学に関する勉強会という形で宇宙医療プロジェクトを開始しました。
中夷:そうでしたね。最初のころは「宇宙で人の身体にはどのような変化が起きるのか」などについて、後藤さんがわかりやすく解説してくれたのを覚えています。
②これまでにどのような活動を行ってきましたか?
後藤さん:プロジェクトを開始してから、しばらくの間は1、2ヶ月に一度、宇宙での医療分野に関しての課題を話し合ったり、宇宙医学に関する論文を使った勉強会などを開催し、宇宙医学に関しての知見を共有していました。
そして、2020年夏頃にJAXAによる「THINK SPACE LIFE」という新たな取り組みでのアイデア募集において、宇宙生活をより快適にするための製品アイデアを提出しました。残念ながら、製品アイデアの採用には至りませんでしたが、JAXAが主催するコミュニティに参加することができるようになりました。このコミュニティでは、JAXAや宇宙でのビジネスを考えている企業と交流会や勉強会を定期的に行っています。
中夷:私も一度、勉強会で論文解説をしました。その際、議論が活発になり、私自身も非常に勉強になりました。
また、2020年の「THINK SPACE LIFE」のアイデア募集の時期から様々なメンバーが加わり、一気にプロジェクトの進捗に拍車がかかっていきましたね。
③現在、どのような活動をされていますか?
後藤さん:JAXAを中心とした「THINK SPACE LIFE コミュニティ」には、宇宙でのビジネスを考えている企業が多数参加しており、それらの企業と意見交換を行っています。もちろんこのコミュニティに参加していない企業とも積極的に交流を行っています。そして、宇宙医療プロジェクトの活動やビジョンなどをさらに認知していただくために宇宙医療プロジェクトのホームページも作成しています。公開後は皆さんに是非ご覧になっていただきたいです!
中夷:早くホームページが見てみたいです!ホームページが公開されると、さらに多くの方に宇宙医療プロジェクトを知ってもらえますね。
④宇宙医療プロジェクトの目標は何ですか?
後藤さん:私たちは、「人の宇宙生活に必要な、あらゆるプロダクトを創る」ことをビジョンとして活動しています。
これから多くの人が宇宙に進出し、宇宙での医療も更に発展していく必要があるでしょう。そのためにこのプロジェクトから宇宙での医療課題を解決するものをできる限り多く輩出していきたいと考えています。
まず最初の一歩として、宇宙での医療ヘルスケア分野においてのビジネスコンサルタントを目指しています。つまり、宇宙での医療という自分たちの知見を活かして、技術のある企業と協力を行っていくというものです。
中夷:JAXAでも研究機関でも大企業でもない、新しい切り口から今後の宇宙開発に貢献することができそうですね。
⑤現在はどのようなメンバーが活動されていますか?
後藤さん:医師、看護師といった医療従事者をはじめとして、医学生や、エンジニア、デザイナー、事業コンサルタントなどの様々な職種の方が一丸となって活動しています。宇宙医療に興味のある色々な分野の方々が集まっているので、それぞれの得意なジャンルを活かしてプロジェクトを盛り上げています。
中夷:本当に多職種の方が集まっていますね。色々な方の意見が合わさり、素晴らしい化学反応が起きそうです!
⑥今後はどのような方に参加していただきたいですか?
後藤さん:私自身、医療職ということもあり、ビジネスに関してわからないことがたくさんありました。そんな時に、ビジネスに強い方にプロジェクトに参加していただいてから、プロジェクトが大きく前進しました。ですから、ビジネスに強い方や、会社を経営している方、様々な業界と繋がりのある方などに参加していただけるとありがたいです。
しかし、それだけでなく宇宙医療に興味のある方や情熱のある方はどなたでも大歓迎です。
中夷:メンバーの共通点は「宇宙医療に興味があること」だけ。どんな方でも参加していただけると嬉しいですね。
まとめ
今回、プロジェクトリーダーである後藤さんに宇宙医療プロジェクトについて詳しくお話を聞くことができました。
プロジェクトが始まって約2年。勉強会からアイデア募集、企業との意見交換などどんどんとプロジェクトが盛り上がりを見せています。
今後の宇宙医療プロジェクトから目が離せませんね!
ABLabに参加して、一緒に宇宙医療プロジェクトを盛り上げていきませんか。
投稿者プロフィール
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宇宙医療に興味がある医学生。多くの人が気軽に宇宙に行ける世界にしたい。
Space Medicine Japan Youth CommunityやTELSTARなどの学生団体にも所属。
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