宇宙産業で活躍するもう一つの選択肢とは

先日、宇宙就活2020に出展してきたABLabですが、ABLabは企業ではないので彼らを雇うことはできません。では何しに行ったのか?

宇宙産業で活躍するもう一つの選択肢について話をしてきました。つまり、宇宙関連企業に進む道ではなく、もう一つの道の話です。

宇宙就活で学生たちに伝えてきたことを、ここにまとめたいと思います。

複業で宇宙に挑戦するという選択肢

宇宙就活には約280人の学生たちが集まりましたが、その全員が宇宙関連の企業に就職するわけではないですよね。それ以外の企業に進む方も多いはずです。

そんな彼らに、「そっち側にも宇宙産業で活躍するチャンスがあるよね」という話をしてきました。

つまり、今は宇宙とは関連のない〇〇業界の企業で働きつつ、複業で宇宙ビジネスの活動を継続する。そして、「〇〇×宇宙」という新しい分野で活躍する人材になるということです。

〇〇×宇宙

これからの宇宙ビジネスは掛け算です。

IT、建築、旅行、保険、飲食、医療、製造、エネルギー、運輸、通信、広告、エンタメ、ありとあらゆる業界が宇宙事業に進出しはじめます。今はまだそんな未来を信じない人が多いだけ。

ITもそうでしたよね。

今でこそ、全ての業界でIT人材が活躍していますが、昔は一部の研究者たちだけのものでした。まさか一人に一台コンピューターが与えられ、それを使いこなせないと仕事にならないなんて、そんな時代を想像できていた人は少ないはずです。

今は宇宙と関わりのない企業に行き、その企業を宇宙事業に導く人材が必要

全ての業界で宇宙事業を検討し始めれば、当然、宇宙に詳しい人材が不足します。そして、その時には、「宇宙に詳しい人」だけではダメなのです。例えば、宇宙旅行であれば、「旅行業界にも詳しくて宇宙にも詳しい」そんな人材が、新たな宇宙旅行ビジネスをリードしていく。そう思いませんか?

つまり、「今はまだ宇宙と関わりのない企業」に行き、いずれその企業を宇宙事業に導く人材が必要ということです。

宇宙開発も素敵ですが、そういう生き方もかっこよくないですか?

誰でも希少価値の高い人材になれる方法

僕らの時代はもう、一つの専門性だけで生きていくのは困難です。複数の専門性を掛け合わせていく必要があります。

ここで、教育改革実践家の藤原和博さんが提唱しているキャリアの考え方を紹介します。これはホリエモンも絶賛していて、色々な方が紹介しているので、既に知っている方も多いかもしれません。

専門性の掛け算

一つの専門性で日本一、世界一の人材になるというのは、かなり難易度が高いですよね。でも、複数の専門性を掛け算していくことで、誰でもそれと同等の希少価値の高い人材になれるのです。

まず、一つの分野で100人に1人くらいまで専門性を高めます。100人に1人くらいなら、一般的にはその分野に1万時間を費やすことでそのくらいの専門性を習得できると言われています。だいたい35年くらいが目安です。

そして、更に別の分野でまた100人に1人の専門性を習得します。そうすると、掛け算で1万人に1人の人材になれます。

そこへ、3つ目の専門性にも挑戦しましょう。その3つの組み合わせで専門性を高めたあなたは、100万人に1人の希少価値を持つ人材ということになります。

例えば、藤原和博さんは、リクルートの営業、そしてマネージャーとして活躍し、「営業」、「マネジメント」の2つの専門性を習得しました。その後なんと、中学校の校長先生に転職されたのです。それによって3つ目の専門性「公教育」という分野が掛け合わさりました。日本でそのようなキャリアを持っている人は藤原さんを除いて1人もいないそうです。

藤原さんはいま、その3つの専門性を活かし、「教育改革実践家」として活躍されています。

https://www.yononaka.net/

宇宙産業で活躍する人材へ

これを将来の宇宙産業に応用してみましょう。

例えば、多くの人が宇宙に行くようになれば、滞在施設として宇宙ホテルが必要です。

宇宙ホテルというビジネスの専門家は、今はいませんよね?

宇宙ホテル業界のリーダーとして活躍するのは、宇宙の専門家でしょうか?そうではないはずですよね。ホテル産業の知識と経験、そして宇宙の専門知識、少なくともこの2つは最低限必要だと思います。そして、もう一つ何を掛け合わせるかで、あなたの色が出るのだと思います。

経営?マーケティング?IT?

掛け算の結果、どんな解が創造されるのか、想像してみてください。

「〇〇×宇宙」という生き方

ここまでを一旦まとめます。

つまり、未来の宇宙産業で活躍するのは、宇宙の専門家だけではありません。複数の専門性を持ち合わせている人材です。

非宇宙企業に行き、宇宙以外の専門性を身につける。それと並行して、宇宙ビジネスの専門知識も高めていき、来るべきチャンスに備える。そんなキャリアもありだと思います。

ただ、ここで一つ問題があります。

宇宙ビジネスの専門知識をどう高めていくかということです。普通の企業に行ってしまうと、宇宙の勉強をする環境なんてありません。宇宙の話ができる人すらいないかもしれません。

ABLabの利用価値

そこでABLabという、会社以外にもう一つのコミュニティに所属することが有効です。

ABLabには宇宙ビジネスを志す人たちが集まっており、一緒に勉強していくことができます。

宇宙企業で働く人たちとも繋がり、継続的に情報収集できます。様々な業界の人たちと繋がり、イノベーション的な取り組みも生まれるかもしれません。

何より、「宇宙」という共通の情熱があります。自分一人で燃え続けるのは辛いものです。でも、周りも燃えていれば、その熱量は伝染します。想いを絶やさず継続することができます。

だから、燃えている環境に身を置くことが大事なのです。

ABLabのビジョン

ABLabのビジョンは、「地球上の全ての業界を、宇宙産業に巻き込むこと」です。

近い未来に、「〇〇×宇宙」で日本の宇宙産業をリードしていく人材を輩出することを目指しています。

ABLabの詳しい紹介は、下記のページをご覧ください。

https://ablab.space/about/

おわりに

今回、宇宙就活2020に出展し、「宇宙産業で活躍するもう一つの選択肢」として、上記のような話をしてきました。

懇親会でこんな話をしてくれた学生がいました。

「私は大学で〇〇を学んでいるけど、〇〇×宇宙なんて分野はないから難しいですよね」

自分の専門性を活かして宇宙産業で活躍したいという気持ちが素敵でした。僕はむしろ、その方のチャンスは大きいと思います。そういう分野がないからこそ、自分で作り出しちゃえば自分が第一人者です。今はない道にこそチャンスがある。道を作れば、その道をたくさんの人たちがついて来るのです。

僕も宇宙ビジネスの勉強を始めて4ヶ月でABLabというコミュニティを作りました。仲間と一緒に宇宙ビジネスの勉強がしたい、でもそんな場がない。しょうがないから自分で作った。僕がABLabの代表なのはただそれだけのことです。宇宙ビジネスの知識なんてほとんどありませんでした。今思うと、そういう逆境こそが、裏返すと実はチャンスなのです。

「自分は文系だから宇宙開発は難しい」、そうではなく、文系にこそチャンスがあるはずです。

ということで、もしよかったらABLabで一緒に勉強していきましょう。

読んでいただてありがとうございます。

投稿者プロフィール

伊藤 真之
伊藤 真之代表理事
1983年、福島県生まれ。IT業界で約10年マーケティングの経験を積んだ後、ファンブック株式会社を設立し独立。2018年、当時小学1年生の息子と宇宙の勉強を始めたことがきっかけで、宇宙ビジネスの潮流を知り、半年後に宇宙ビジネスコミュニティ「ABLab」を創設。「地球上のすべての業界を、宇宙産業に巻き込む」というビジョンを掲げ、異業種から宇宙に挑戦する人や企業を支援し、事業創出と人材輩出に取り組む。