【開催レポート】ABLab定例会「S-Booster編」

ABLabで2019/3/14、内閣府の一柳氏を招いて勉強会を開催しました。宇宙開発や宇宙利用に関して、国の取り組みや事例、そして今応募期間中となっている宇宙ビジネスアイデアコンテスト「S-Booster 2019」の話を伺いました。

その内容をざっくりとまとめてレポートいたします。

国の取り組み、事例について

まず国の取り組みとしては、「宇宙基本計画」で3つの目標が掲げられており、それが基本的なスタンスとなっています。

  • 宇宙安全保証の確保
  • 民生分野における宇宙利用推進
  • 産業・科学技術基盤の維持・強化

この2つ目の目標は、つまり「民間の宇宙産業を拡大していこう」というものです。そして、宇宙産業のビジョンとして「宇宙産業ビジョン2030」を宣言し、2030年早期に宇宙産業規模を倍増することを目指しています。つまり、2017年現在の1.2兆円を、2030年に2.4兆円に拡大できるよう、国として政策を進めていくということです。

宇宙利用のイメージを持てるよう、近年の事例として、

  • 衛星データを利用してタンパク質の含有量がベストなタイミングで収穫することを実現したブランド米の話
  • 石油タンクの貯蔵量を衛星画像を解析することで割り出し、投資情報として提供しているオービタルインサイト社の話
  • GPSよりも高精度でセンチメートル単位で位置情報が取得できる準天頂衛星「みちびき」の話

などなど、初心者にもわかりやすい事例をいくつかご紹介いただきました。

S-Booster 2019について

「S-Booster」とは、内閣府が主催する宇宙ビジネスアイデアコンテストです。宇宙ビジネスのアイデアを事業化へと一気に加速するための支援の一つとして開催されています。優勝賞金は1,000万円で、その後も事業化に向けた様々な支援を受ける機会があります。

S-Booster 2019の概要は、Webサイトにまとまっているので、ここでの紹介は省略させてください。
https://s-booster.jp/

概要を伺った上で、気になるところをABLabメンバーからたくさん質問させていただきました。

ABLabの今後のアクションについて

もちろんABLabもS-Booster 2019に挑戦しようと考えているわけです。伺ったお話を踏まえて、今後のアクションプランについて議論しました。

だいたいこんな計画です。

  • 3月中にアイデア出しのブレストミーティングをオンラインで複数回実施する。
  • そのアイデアの一部は、4月上旬のアイデアソンイベント「Startup Weekend Tokyo Space」でブラッシュアップさせる。
  • 4/21の締め切りまでに、3つ以上のアイデアをまとめ、応募する。

 

まとめ

ということで、S-Boosterをテーマにした勉強会でした。

ABLabのメンバーは、専門家から初心者まで、人によって知識レベルに差があります。運営の難しさはありますが、でも、それで良いのです。いろんな人が集まるコミュニティだからこそ化学反応が起きるはず。似たような人ばかりじゃつまらないしABLabが存在する意味がないのです。

とはいえ、共に議論をする上で、最低限の知識や認識共有は必要です。今日の勉強会も初心者向けのごく基本的な内容が中心でした。地道な勉強の積み重ねがとても大事だと思うので、引き続き一緒に頑張って行きましょう。

そして、同じ志を持つ仲間たちとの繋がりを深めていくことで、将来かけがえのない財産になると信じています。

 

投稿者プロフィール

伊藤 真之
伊藤 真之代表理事
1983年、福島県生まれ。IT業界で約10年マーケティングの経験を積んだ後、ファンブック株式会社を設立し独立。2018年、当時小学1年生の息子と宇宙の勉強を始めたことがきっかけで、宇宙ビジネスの潮流を知り、半年後に宇宙ビジネスコミュニティ「ABLab」を創設。「地球上のすべての業界を、宇宙産業に巻き込む」というビジョンを掲げ、異業種から宇宙に挑戦する人や企業を支援し、事業創出と人材輩出に取り組む。