【カフェバー流れ星】宇宙旅行へ飛び立つ稲波紀明代表に宇宙ビジネスをインタビュー

 2023年7月24日に開催された宇宙ビジネスの交流イベント「Cafe & Bar 流れ星」は、INAMI Space Laboratory株式会社 / 代表取締役 稲波紀明(いなみのりあき)さんがゲストスピーカー。「人が宇宙に行く時代」をテーマにトークセッションを行いました。

 宇宙旅行へ申し込んだのが2005年。「宇宙旅行へ申し込んでから人生が変わった」と語り、宇宙ビジネス専門の会社を立ち上げた稲波さんの活動を伺いました!

ダイジェスト版ショート動画(約1分)

 まずはダイジェスト版のショート動画をご覧ください。

宇宙ビジネスを見据える宇宙旅行者

 今からもう20年ぐらい前、2005年に宇宙旅行に申し込みました。当時は2008年に行けると言われてからだいぶ時間が経ち、今年2023年か2024年には宇宙旅行に行けるというところまで来ました。先月6月30日にバージョンギャラクティックのテストフライトが成功し、宇宙旅行がついに開始しました。そして次回は8月10日。実際に民間人でお金を払った人が、宇宙に行き始めるということがついに実現します。ということは、もうそこから毎月毎月、民間人が宇宙に行き始めるということで、今年から一気に宇宙旅行に行く人数が増えます。ちょうど今みなさんは時代の転換点にいるんですね。これから人類がどんどん宇宙に行く時代を迎えるにあたり、私たちは何をしていかないといけないか。宇宙ビジネスを作るしかないんです。すると宇宙ビジネスの創出が一気に起こりはじめるんですよ。

 これまでの宇宙飛行士は若くて健康な人が多かったですけど、これからの宇宙旅行者はそうではない。例えば高齢な方、病気を持ってる方、障害を持ってる方もそのうち行き始めるような時代になってきます。そうすると宇宙に行く人類の幅がどんどん広がっていくんですね。宇宙飛行士みたいにエリートじゃない人も、宇宙に行き始める。そういう時代がついに来たということで、私は新しいビジネスをどんどん作りたいという一心で、2022年8月に会社を作りました。

企業価値12億円。うなぎを宇宙へ打ち上げた会社の展望

 INAMI Space Laboratoryという会社です。来月で創業から1年くらい経ちますが、激動の毎日ですね。日々働きまくっていて、上場を目指しています。3年で上場しようという計画をみんなと立て「できるわけないだろう」と思いながら、でもやってやろうかなと思ってます。会社の評価額を掲載しているウェブサイトを見ていたら、うちの企業価値が12億円になっていました。もうフェーズBになっていて、周りから評価をして頂いているというのは、すごく嬉しいなと思うんです。ただ、うちの会社としては、上場するかどうかというところだけではなくて、企業価値1兆円を目指しています。なぜかというと、アメリカの企業を見てると上位500企業がだいたい1兆円ぐらいの企業価値になってる。これから宇宙業界がどんどん出来上がってくるじゃないですか。私が考えているのは「宇宙開発」だけではなく、例えば「宇宙×フード」とか、「宇宙×医療」とか、「宇宙×エンタメ」とか色んな業界がこれから出来上がってくるわけですね。しかもそれは日本の独自の考えで、あまりアメリカではそこまで業種を創ろうなんて思ってないんですよ。そんな日本独自の業種をどんどんみなさんと一緒に作って、世界に広めていきたいというのが、うちの会社の思いです。

 そのため取り組む範囲はすごく広いですが、最近行ったプロジェクトと言えば、うなぎを宇宙に打ち上げました。宇宙食というとJAXA認定の宇宙食があるじゃないですか。実は栄養価が高く、とても高カロリーなんですね。でも私と同じ頃に60歳で宇宙旅行を申し込んでいる人は、今は80歳。本当に欲しい食べ物は、実は低カロリーとか健康志向のものなんですよね。そういったミスマッチが出てきました。そうするとやっぱり我々は、宇宙旅行者向けのヘルシーな食事を作っていかないといけないんですよ。それを誰が作るのですか?と言われれば、我々が作るしかないと考えていて、この動画を観ている人や私の宇宙サロン、ABLabの方々と作っていきたいです。宇宙に民間人が行くということは、フードやエンタメの需要が考えられる。宇宙でスポーツだって当然考えられるわけじゃないですか。そこに取り組んでいくのが、私たちの会社なんですよ。もう民間人が宇宙でいろんなことに挑戦できる時代になるんですよ。そして、うちの会社はそれを実現する会社なんですよ。だから私たちは幅広く取り組んでいます。

宇宙と関わると人生が変わる。その体験をまずは「月」から感じてほしい

 実は近々リリース予定のサービスがあります。みなさんも月に行きたいじゃないですか。これからの時代は月だと思うので、うちの会社で月へのペイロード(輸送枠)を購入して、来年の2月に打ち上げる予定です。どこのロケットか詳細は契約上、言えないですけどね。そのサービスを通して、宇宙に参加してほしいと思っています。やっぱり色んな人の話を聞くと「宇宙で何をしていいかわかんない」っていう話がすごい来るんですね。だからうちの会社がその月にメッセージを送れるようにしたんですよ。しかも無料で。マネタイズですか?サービスですよ!サービス。このサービスはマネタイズしないんですよ(笑)。世界に宇宙が身近になったことを知ってもらう為の、地球への投資です。

 私は20年前に宇宙旅行へ申し込んでから、人生が変わったんです。「宇宙旅行を申し込んでます」というだけで世界観が変わって、毎日宇宙のことを考えるようになったんです。なのでそれをみなさんに体験して欲しいと思ってます。みなさんにも「月へメッセージを送ったよ」と語れる人になって欲しい。宇宙を考える人が増えることで、宇宙産業の裾野を広げて行きたいんです。月にメッセージを送るって、やっぱりすごいことだと思うんですね。身近に宇宙を考える人が1人でも多く増えることが、宇宙ビジネスが拡大していくことだと考えています。儲けるとかそういう話をするんじゃなくて、この国で宇宙ビジネスをみんなが作っていってほしいんですよ。その思いで無料で月にメッセージを送るサービスをリリースします。もう完全に赤字は俺がかぶるから(笑)良いんだよ。とにかく、宇宙ビジネスをどんどん作っていきたいという思いなんだよね。うちの会社のポリシーなんで、そういう人が一人でも出てきてくれればそれでいいなと思ってます。

 昔、天皇陛下にお会いできる機会があって、5分ぐらいお話しさせて頂いたんですよ。最後に言われたことは「日本のために頑張ってください」。今までそんなこと、誰にも言われたことないですよ!今までテレビとかを通じてしか見たことがないから、実際に天皇陛下と面と向かって話してみると、一言一言の重みが全然違うんですよ。出会った瞬間に「もうこの人には生まれながらにして俺、敵わねえ」と思いました。それが私の一つの大きな原動力でもあります。

宇宙へのチャレンジは、リスクばかりではない

 実は私は宇宙旅行を申し込んでるけど、リスクは何も負ってないんですよ。みんなにすごく危険なことをしてると思われてるようですが、実は20年間まだ宇宙旅行にも行ってないし、キャンセルしたら全額戻ってくるんですよ。結構、危険なことが好きなのかなと思われるかもしれないけど、実はリスクヘッジをしっかりして、いろんなことを確実にやっていきたいと思っています。今キャンセルすると、円安になってるから1000万ぐらい利益出るんですよ(インタビュー時点)。そうすると、宇宙旅行でお金儲けした人になる(笑)。今キャンセルしたらただの人に戻れるんだけど、そんな人生はつまんなくなりますし、俺は宇宙に行きます。会社員時代はいろんなことをやりたいなと思っていたけど、できることは限られてるんですね。サラリーマンをやってることが実はリスクだと思ってて、特に今の時代は起業した方が面白いなと思っています。宇宙旅行に行くと、もしかしたら死ぬかもしれないんですよね。会社を作ってから常に毎日そう思っているけど、人生って1回きりだし、サラリーマンだとやっぱり全力でなんかできなくて、起業して宇宙ビジネス専門の会社を作ったんです。

 宇宙ビジネスをやる専門の会社を作った方が、より宇宙ビジネスをこの国に広げられると思ったんですよ。でなければ宇宙ばかりやれないですからね。これから宇宙ビジネスをどんどん増やして拡大していきたいし、日本をもっとでかくしていきたいと思ってるんです。そしてもっと産業を作っていきたいと思ってる。いま様々な人材を募集しているので、ぜひうちの会社を覗いてみてください!

カフェバー流れ星とは

 カフェバー流れ星は、月に一度だけ開く、宇宙または宇宙ビジネスに関心を持つ人が集うカフェバー。と言っても実店舗があるわけではなく、イベントスペースを借りて一晩限りの交流の場を提供する交流イベントです。

宇宙ビジネスの実践コミュニティ「ABLab」が運営し、宇宙の仲間作りを支援しています。宇宙や宇宙ビジネスに関心のある方ならどなたでもご参加いただけます。ABLabのスタッフがホストとして、ゲストの皆様の新しい出会いや交流をお手伝いしています。これまでも様々なプロジェクトやコラボレーションのきっかけを促してきました。

7月24日開催のイベント概要

日時  :2023年7月24日(木) 19:00-22:00

場所  :New民家バー後楽園店
     ( https://www.instabase.jp/space/4748208721?catalog=true )

参加費 :初めて参加の方    2,000円
     2回目以降の参加の方 3,000円
     ※ABLab会員は月額会費に含まれるため無料

定員  :30名

対象者 :宇宙や宇宙ビジネスに関心のある方

サービス:飲み放題、お菓子おつまみ類

タイムテーブル:

19:00-20:00 オープン、フリータイム
20:00-20:30 自己紹介タイム (参加者の皆さん一人一人に自己紹介をしていただきます)
20:30-21:00 対談セッション
21:00-22:00 フリータイム
22:00-22:30 記念撮影、クロージング


対談ゲスト:

INAMI Space Laboratory株式会社
代表取締役 稲波 紀明さん

カフェバー流れ星への参加方法

 次回以降のカフェバー流れ星に参加したい方は、ABLabのPeatixをフォローしてください。イベント公開時に通知を受け取ることができます。

関連ページ

INAMI Space Laboratory株式会社

https://isl-rocket.com/

投稿者プロフィール

九十九凛
九十九凛宣伝 / 企画
宣伝やブランディングといったコミュニケーションのマネージャー。
フリーランスでSNSディレクションや、広報に必要なデザイン制作と写真撮影をしている。Web3産業ではゲームクリエイターのコミュニティマネージャーとして従事。人やサービスの価値を説明するのが趣味。夢は日本や世界を旅して自然や文化の美しさを撮影しつつ、友だちを見つけに行くこと。