SPACETIDE 2018で感じる宇宙ビジネスの熱気
宇宙ビジネスを学び始めた新参者として、イベントにはできる限り足を運ぶようにしています。宇宙ビジネスにおいては、SPACETIDEという素晴らしいイベントがあるので、まだの方はぜひ参加することをおすすめします。
SPACETIDEの紹介も兼ねて、SPACETIDE 2018の参加レポートをまとめておきます。僕はTwitter実況しながら参加していたので、ツイートをまとめ、そこに考察を加えていきます。
SPACETIDEとは
スペースタイドとは民間の団体が企画/運営する宇宙ビジネスのカンファレンスです。毎年規模が拡大しており、国内の宇宙ビジネス業界キープレイヤーが集います。
宇宙産業というのは、もともと官需中心に発展してきたある意味閉鎖的な業界なので、民間による主催というのは前例がなく、非常に画期的なことなのです。
このSPACETIDEが素晴らしいのは、政府としっかり連携したうえで、OLD SPACE企業、NEW SPACE企業の双方と共に、さらには非宇宙産業の企業を宇宙ビジネスに巻き込もうと取り組んでいるところです。
マジで嫉妬しちゃうくらい、画期的で素晴らしい取り組みなのです。
- SPACETIDE
http://www.spacetide.jp/
SPACETIDE 2018参加レポート
開幕
早速なのですが、実は遅刻しました。代表理事 石田真康さんのオープニングスピーチ聞き逃した。愛する息子を保育園に送り届けていたので仕方ありません。
#spacetide #Tokyo ちょうど始まりました just started! pic.twitter.com/Zin2hVbZbz
— 井上未雪 Miyuki I. (@MyuInoue) May 10, 2018
井上さんのツイートに感謝。
パネル1「2030年に向けた宇宙産業の将来像形成」
不可能だと思うことがどんどん実現してきている。2030年の宇宙産業は今とは全く違うものになっているはず。#spacetide pic.twitter.com/cy7gokO331
— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
ここで要注目なのがパネリストの構成です。
内閣府、JAXA、スカパーJSAT(いわゆるOld Space的企業)、投資機関、ASTROSCALE(いわゆるNew Space企業)。
今、宇宙ビジネス業界はこういうプレイヤーで構成されているのです。
コアな宇宙産業の規模は倍増するだろう。そしてそれを利用した周辺ビジネスまで含めるとさらに大きな拡大がある。#spacetide
— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
スカパーJSATさんの衛星。衛星には寿命があるので、20年でこれ全てが刷新されるそう。ただ入れ替えるのではなく、どうアップデートするかが重要。#spacetide pic.twitter.com/yjRnQ2yHHj
— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
JAXAの今後の取り組み。
民間と組んでイノベーションを起こしていく。このスライドはチラ見せで、今週詳細が発表されるらしい。#spacetide pic.twitter.com/kHD4U9M9zp— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
市場ができるかがリスクとなる時代は終わった。ニーズは確実にある。
これからは、それに技術で応えられるかどうかが問われる時代。アストロスケール岡田氏#spacetide #宇宙ビジネス— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
ワンウェブソリューションズのプレゼンテーション
いわゆるNew Space企業「OneWeb」のプレゼンです。OneWebは地球の周りに数百機の人工衛星を打ち上げることで、衛星通信に革命を起こそうとしています。
通信の種類は3種類。固定回線、無線回線、衛星回線。
固定回線や無線回線は速度が飛躍的に向上しているのに、衛星通信は大きな進化が見られない。#SPACETIDE pic.twitter.com/UWplMq410M— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
従来の衛星通信と、ワンウェブによる衛星通信革命。#SPACETIDE #ONEWEB pic.twitter.com/0HrW6gLpbX
— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
パネル2「ビッグデータがもたらす新たな市場」
宇宙ビッグデータがもたらす新たな市場。
どんな議論が展開されるか、興味深い。#SPACETIDE #宇宙ビジネス pic.twitter.com/I3POq6bY1N— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
パネル2では、宇宙ビジネスの情報産業的な側面の議論です。人工衛星によって取得できるデータの質と量が飛躍的に向上することで、その衛星データを利用したビジネスに可能性が高まります。
IT畑の僕としては、このデータをつないで管理して活用するというところのシステム構築に大きなビジネスチャンスがあると感じます。 pic.twitter.com/Ha7gyiv0cF
— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
衛星画像を売るだけではなく、解析して付加価値をつけることを目指して取り組んでいるが、問題は、画像の解析だけではなかなか課題の解決には結びつかないこと。
他のどんなデータと組み合わせれば付加価値を高められるか、そのラストワンマイルが大きな壁。#SPACETIDE #衛星データ #アスセルスペース— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
衛星データには2種類あって、観測データ(簡単にいうと、衛星から地球を撮影した画像データ)、測位データ(簡単にいうと、GPSのような位置情報データ)です。このデータの質と量が今後比較的に高まっていくことが期待されるのですが、それだけだと大した価値にはなりません。
既存のビジネスやビッグデータとどのように組み合わせることで価値が創出できるだろうか?というのが課題になっています。
パネル3「宇宙飛行の新時代」
次はロケット開発周りのパネルディスカッション。「宇宙飛行の新時代」#SPACETIDE #宇宙ビジネス pic.twitter.com/cvMVKIOT1b
— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
パネル3はロケットの話ですね。
宇宙飛行の種類は大きく4つのタイプに分けられる。そして、それぞれこんなプレイヤーが取り組んでいる。#SPACETIDE #宇宙ビジネス pic.twitter.com/znPx6DPLBs
— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
宇宙旅行ニーズの市場調査結果。600万円くらいが目標価格になりそう。日本は資産1億円の人口がかなり多い。世界でも代表的なマーケットになる。ミリオネア率2.26%だからこの会場にも1億円以上持ってる人が何人かいるはずだぞと。#SPACETIDE #宇宙旅行 pic.twitter.com/15nOVN8Eku
— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
国内のミリオネアの多くは高齢者だろうから、そうなると健康のリスクもあり、医療サービスも重要になってくるぞと。#SPACETIDE #宇宙旅行
— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
個人的には、サブオービタルの宇宙旅行はかなり興味があります。火星や月に行くことよりも、宇宙から地球を見てみたいという気持ちのほうが強いです。皆さんはどうですか?
パネル4「創造:宇宙経済圏」
パネル4は、「創造:宇宙経済圏」ということで、宇宙経済を発展させていくために何が重要かという話。
正直、私の脳みそはそろそろ溶けてきてます(笑)終日ずっと濃い話が続いております。まだまだ続きます。#SPACETIDE #宇宙ビジネス pic.twitter.com/AGH1KLjBF2— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
政府と連携して進めていくのがやっぱり重要ではあるんだけど、これからは非宇宙産業をいかに巻き込んでいくかも重要だね、などなど。#SPACETIDE #宇宙ビジネス
— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
今後、打ち上げコストが下がっていけば、人も物もどんどん宇宙に出ていくことが予想されますので、そうすると、宇宙ビジネスは既存のほぼ全ての作業に関連してくるのではないかと思います。
つまり、今全ての産業においてIT化が進んでいるように、今後ほぼ全ての産業において宇宙化が進むのではないかと考えています。これについてはまた別の機会にまとめますね。
ベンチャーピッチ
ベンチャーピッチ。宇宙ベンチャー各社が自社のビジネスをアピールします。
僕もまずはここに入れるようになりたいなー。#SPACETIDE #宇宙ビジネス pic.twitter.com/JPf2kRFYrT— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
うぉー!テレイグジスタンス最高に面白いぞ!本日一番の興奮です。人の宇宙活動はこれが標準になるんじゃないかな!
視覚、聴覚、触覚の3つが転送されるなら、ほぼそこにいるのと同等の感覚に陥るのではないか!#SPACETIDE #テレイグジスタンス #宇宙ビジネス pic.twitter.com/gLlTTxaPUq— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
月を歩いたりジャンプしたりする体験とか、月から地球を眺めるデートとか、できちゃうよね。人が物理的に移動せずに、一瞬で意識をそこに転送するのに近いね。#テレイグジスタンス #SPACETIDE #宇宙ビジネス
— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
テレイグジスタンスはインパクト大きいですね。宇宙産業において重要な役割を果たして行くのではないでしょうか。
人が宇宙に行くには物理的な距離やコストがどうしてもネックになってしまうので、一般人の宇宙旅行はしばらくお預けで、テレイグジスタンスによるお手軽な宇宙体験が人気になりそうです。
また、宇宙におけるインフラ機器のメンテナンスも、人が直接行うのは色々問題がありますので、テレイグジスタンスで解決できそうです。
パネル5「他産業の成長ドライバーとしての宇宙」
ええと、すみません、Twitter実況は力尽きて、ぼーっと聞いてました。かなり幅広い業界で、宇宙利用が既存の課題解決に役立つぞという話です。
ラグビーに宇宙利用と聞いて、想像つきますか?
思わぬところで宇宙利用が既存ビジネスの成長ドライバーになり得るのです。これはもう、非宇宙産業の企業が好奇心を持って、宇宙ビジネスに詳しい人たちとの議論に参加することが大事です。
閉会
SPACETIDE 2018 閉会です。楽しかった!スタッフの皆さん、登壇者の皆さん、ありがとうございました。#SPACETIDE pic.twitter.com/KGd4CCTSMU
— 伊藤真之 | コミュニティデザイナー (@msyk_ito) May 10, 2018
長かった。聞いてるだけでもお腹いっぱいという感じでしたので、運営の皆さんは本当に大変だったのではないでしょうか。本当にお疲れ様でした。
この素晴らしいイベントが、成長、継続して行くことを願っております。
まとめ
まだまだ市場規模も小さくプレイヤーも少ない宇宙産業ですが、これから急激に拡大して行くような予兆のような動きが増えてきています。火がついてからでは遅い。今、競合他社に先んじて、宇宙ビジネスの模索を始めることで、数年後に大きな差別化へと繋げられるのではないかと、非宇宙産業企業に務める私は感じております。
昨年より全然盛り上がってる #SPACETIDE pic.twitter.com/YHHyWf4hnn
— Katsuaki Sato (@ka2aki86) May 10, 2018
著書「お金2.0」が好評のメタップス佐藤航陽さんもいらしてました。
投稿者プロフィール
- 1983年、福島県生まれ。IT業界で約10年マーケティングの経験を積んだ後、ファンブック株式会社を設立し独立。2018年、当時小学1年生の息子と宇宙の勉強を始めたことがきっかけで、宇宙ビジネスの潮流を知り、半年後に宇宙ビジネスコミュニティ「ABLab」を創設。「地球上のすべての業界を、宇宙産業に巻き込む」というビジョンを掲げ、異業種から宇宙に挑戦する人や企業を支援し、事業創出と人材輩出に取り組む。