SPACETIDE 2018で感じる宇宙ビジネスの熱気

宇宙ビジネスを学び始めた新参者として、イベントにはできる限り足を運ぶようにしています。宇宙ビジネスにおいては、SPACETIDEという素晴らしいイベントがあるので、まだの方はぜひ参加することをおすすめします。

SPACETIDEの紹介も兼ねて、SPACETIDE 2018の参加レポートをまとめておきます。僕はTwitter実況しながら参加していたので、ツイートをまとめ、そこに考察を加えていきます。

SPACETIDEとは

スペースタイドとは民間の団体が企画/運営する宇宙ビジネスのカンファレンスです。毎年規模が拡大しており、国内の宇宙ビジネス業界キープレイヤーが集います。

宇宙産業というのは、もともと官需中心に発展してきたある意味閉鎖的な業界なので、民間による主催というのは前例がなく、非常に画期的なことなのです。

このSPACETIDEが素晴らしいのは、政府としっかり連携したうえで、OLD SPACE企業、NEW SPACE企業の双方と共に、さらには非宇宙産業の企業を宇宙ビジネスに巻き込もうと取り組んでいるところです。

マジで嫉妬しちゃうくらい、画期的で素晴らしい取り組みなのです。

SPACETIDE 2018参加レポート

開幕

早速なのですが、実は遅刻しました。代表理事 石田真康さんのオープニングスピーチ聞き逃した。愛する息子を保育園に送り届けていたので仕方ありません。

井上さんのツイートに感謝。

パネル1「2030年に向けた宇宙産業の将来像形成」

ここで要注目なのがパネリストの構成です。

内閣府、JAXA、スカパーJSAT(いわゆるOld Space的企業)、投資機関、ASTROSCALE(いわゆるNew Space企業)。

今、宇宙ビジネス業界はこういうプレイヤーで構成されているのです。

ワンウェブソリューションズのプレゼンテーション

いわゆるNew Space企業「OneWeb」のプレゼンです。OneWebは地球の周りに数百機の人工衛星を打ち上げることで、衛星通信に革命を起こそうとしています。

パネル2「ビッグデータがもたらす新たな市場」

パネル2では、宇宙ビジネスの情報産業的な側面の議論です。人工衛星によって取得できるデータの質と量が飛躍的に向上することで、その衛星データを利用したビジネスに可能性が高まります。

衛星データには2種類あって、観測データ(簡単にいうと、衛星から地球を撮影した画像データ)、測位データ(簡単にいうと、GPSのような位置情報データ)です。このデータの質と量が今後比較的に高まっていくことが期待されるのですが、それだけだと大した価値にはなりません。

既存のビジネスやビッグデータとどのように組み合わせることで価値が創出できるだろうか?というのが課題になっています。

パネル3「宇宙飛行の新時代」

パネル3はロケットの話ですね。

個人的には、サブオービタルの宇宙旅行はかなり興味があります。火星や月に行くことよりも、宇宙から地球を見てみたいという気持ちのほうが強いです。皆さんはどうですか?

パネル4「創造:宇宙経済圏」

今後、打ち上げコストが下がっていけば、人も物もどんどん宇宙に出ていくことが予想されますので、そうすると、宇宙ビジネスは既存のほぼ全ての作業に関連してくるのではないかと思います。

つまり、今全ての産業においてIT化が進んでいるように、今後ほぼ全ての産業において宇宙化が進むのではないかと考えています。これについてはまた別の機会にまとめますね。

ベンチャーピッチ

テレイグジスタンスはインパクト大きいですね。宇宙産業において重要な役割を果たして行くのではないでしょうか。

人が宇宙に行くには物理的な距離やコストがどうしてもネックになってしまうので、一般人の宇宙旅行はしばらくお預けで、テレイグジスタンスによるお手軽な宇宙体験が人気になりそうです。

また、宇宙におけるインフラ機器のメンテナンスも、人が直接行うのは色々問題がありますので、テレイグジスタンスで解決できそうです。

パネル5「他産業の成長ドライバーとしての宇宙」

ええと、すみません、Twitter実況は力尽きて、ぼーっと聞いてました。かなり幅広い業界で、宇宙利用が既存の課題解決に役立つぞという話です。

ラグビーに宇宙利用と聞いて、想像つきますか?

思わぬところで宇宙利用が既存ビジネスの成長ドライバーになり得るのです。これはもう、非宇宙産業の企業が好奇心を持って、宇宙ビジネスに詳しい人たちとの議論に参加することが大事です。

閉会

長かった。聞いてるだけでもお腹いっぱいという感じでしたので、運営の皆さんは本当に大変だったのではないでしょうか。本当にお疲れ様でした。

この素晴らしいイベントが、成長、継続して行くことを願っております。

まとめ

まだまだ市場規模も小さくプレイヤーも少ない宇宙産業ですが、これから急激に拡大して行くような予兆のような動きが増えてきています。火がついてからでは遅い。今、競合他社に先んじて、宇宙ビジネスの模索を始めることで、数年後に大きな差別化へと繋げられるのではないかと、非宇宙産業企業に務める私は感じております。

著書「お金2.0」が好評のメタップス佐藤航陽さんもいらしてました。

投稿者プロフィール

伊藤 真之
伊藤 真之代表理事
1983年、福島県生まれ。IT業界で約10年マーケティングの経験を積んだ後、ファンブック株式会社を設立し独立。2018年、当時小学1年生の息子と宇宙の勉強を始めたことがきっかけで、宇宙ビジネスの潮流を知り、半年後に宇宙ビジネスコミュニティ「ABLab」を創設。「地球上のすべての業界を、宇宙産業に巻き込む」というビジョンを掲げ、異業種から宇宙に挑戦する人や企業を支援し、事業創出と人材輩出に取り組む。