ABLab Eclipse 2019 開催レポート

宇宙ビジネスのオンラインサロン「ABLab」は設立1周年を迎え、活動報告や今後のビジョンを共有するイベント「ABLab Eclipse 2019」を2019年8月23日にX-NIHONBASHIにて開催しました。イベントの内容をダイジェストでご報告します。

ABLab Eclipse 2019とは

「ABLab Eclipse」は、ABLabの年に一度の公開イベントです。1年間の活動や今後のビジョンについて共有します。

今回は、司会にフリーアナウンサーの榎本麗美さんを迎え、日本橋の宇宙ビジネス拠点「X-NIHONBASHI」にて、参加者約50名の規模で開催しました。

アジェンダ

  • 【代表挨拶】ABLab活動報告と今後の計画、ビジョン
  • プロジェクト報告(各プロジェクトリーダーより)
  • MVP表彰
  • 懇親会

司会の榎本麗美さん

【代表挨拶】ABLab活動報告と今後の計画、ビジョン

ABLab代表の伊藤より、「1周年おめでとう」と挨拶(いきなり乾杯)をさせていただきました。

ABLabが生まれたきっかけは僕かもしれないが、僕の力で育てたものではありません。ABLabに集まったメンバーたちで作り上げてきた、僕ら皆の実績です。だから、「ありがとう」ではなく「おめでとう」と乾杯したい。と、喜びを分かち合いビールを掲げました。

宇宙ビジネスのチャンスと、その掴み方

まずは宇宙ビジネスのチャンスについて、IT黎明期に例えながら、現在の状況を解説しました。ITが全ての業界と結びついたように、宇宙もまた然りであるということ。だからどんな業界にも宇宙化の可能性がある。そして、そのチャンスを掴もうと思うなら、儲かり始めてからでは遅い。人より5年早く始めれば先生側になれる。今から準備を整え、波の来るその場所に行こうと伝えました。

ABLabはなぜ凄いのか

たった1年で急成長し、メンバーの主体的な活動で10を超えるプロジェクトが稼働しているABLab。現在の状況を解説しつつ、その勢いの秘密を明かしました。

ABLabを立ち上げる時に、TEDのデレク・シヴァーズの動画を何度も見ていました。そこでは、リーダーシップだけでなく、フォロワーシップが重要であることが説かれています。ABLabは、フォロワーシップの高い文化を形成しているからこそ、数多くのリーダーを生み出すことができるのです。

ABLabのこれから

そして、ABLabの今後の計画について紹介しました。産業人口8,000人と言われる宇宙産業において、ABLabは1,000人規模の団体となります。そして年間1億円のお金を動かし、様々な活動を通して、各業界に宇宙事業のリーダーを輩出していきます。

現在の成長推移は計画通りのカーブを描いており、コミュニティとしての文化形成も極めて良好です。人が成長する場所には、たくさんのストーリーが生まれます。まるで映画のように、一人一人のストーリーにワクワクしながら、僕らは楽しく進んでいきます。

今は社会人枠が満員で入れないが、近いうちに追加募集を始めるので、一緒に踊ってくれる人は飛び込んで来て欲しいと伝えました。

プロジェクト報告

ABLabの各プロジェクトリーダーより、それぞれ5〜10分ほどの発表を行いました。

マンガ制作プロジェクト

マンガ制作プロジェクトのリーダー星さん。星さんは弁護士として働きながら、宇宙法の研究、情報発信等の活動をしています。

ABLabが様々な業界を宇宙に巻き込んで行くため、マンガを利用して情報発信していくことが有効です。ABLabの紹介から始まり、宇宙に挑戦するメンバーの紹介、そしてプロジェクトの紹介をすることで、宇宙に挑戦する仲間を増やしていきたいと語りました。

宇宙法プロジェクト

同じく、弁護士の星さんから発表。人が宇宙に行くようになり、社会が形成され始めると、そこには法律が必要となります。そのため、今から法律を整えていく必要があるのです。宇宙の法律を巡っては様々な課題がありますが、まずは研究と情報発信から始めていきます。様々なバックグラウンドを持つ人たちが集まるABLabの環境を活かし、課題について議論したり、セミナー開催、論文執筆などの活動から始めていますと紹介しました。

ABLibrary 〜ABLab仮想図書館〜

ABLabの図書館プロジェクト「ABLibrary」館長の萩原さん。ABLibraryでは、宇宙関連の書籍をABLabの予算で購入し、蔵書を増やしていくことで、ABLabメンバーが勉強しやすい環境を整えていきます。そして、本への書き込みを自由化することで、本への書き込みが増えるほどに、人と共に「本」自体も成長していくと語りました。

ABLibraryの蔵書一覧はブクログで閲覧可能です。
https://booklog.jp/users/ablibrary-2019

R2D2を宇宙に連れて行く

同じく萩原さん発起のプロジェクト「R2D2を宇宙に連れて行く」。2027年にR2D2を月面に連れて行くことを目標に、仲間と共に遊び心を持って楽しく制作に取り組んでいくとのことです。システム設計、電気設計、機械設計、構造解析、熱解析など、専門的な解説も挟みつつ、「ディズニーを巻き込んで実現するつもりだ」と意気込みを語りました。

Cafe & Bar 流れ星

カフェバー流れ星は、ABLabメンバーが月に一度、仲間と無料で飲み会できる場として企画運営しています。福利厚生のような位置付けです。また、ABLabに興味を持っていただいた方が、ABLabメンバーと交流できる「お試し参加」のような場でもあります。

仲間と共にプロジェクト活動を始めるに当たっては、まず仲良くなることが意外と重要。仲間同士の交流の場として重宝しています。

YAOKI月面探査プロジェクト

続いての発表は、ロボットクリエイターの中島さん。中島さんが自社で開発している月面ロボ「YAOKI」をベースに、みんなで月面探査に挑戦しようというプロジェクトです。

既にNASAのCLPS月輸送プログラムに認められ、9月に契約予定とのこと。そして、2021年夏に日本初の月面探査実現を目指していきます。こんなチャンスに乗れるのは今だけ!皆で挑戦しよう!と語りました。

宇宙ビジネスゲーム制作

宇宙ビジネスをテーマにしたボードゲームを制作しようというプロジェクト。発表はリーダーの中村さん。

「宇宙」という分野はその難しさから、興味を持っても勉強を始める難易度が高い。ゲーム化によって、複雑なものをシンプルにモデル化し、物語性を持って学べるようにしたい。それによって誰でも楽しく宇宙ビジネスのスタートラインに立てるはずだと主張しました。

S-Booster 2019

内閣府主催の宇宙ビジネスコンテスト「S-Booster 2019」に挑戦するプロジェクト。ABLabから数チームが挑戦し、見事ファイナリストに残った棚田さん、永井さんから発表しました。

ABLab内でどのようなプロセスでアイデアを磨いていったか、ABLabだからこその強みは何だったのか、そして現在ブラッシュアップ中のビジネスプラン概要について紹介しました。今後の最終審査に向けて意気込みも表明してくれました。

MOMO3打ち上げ支援参加レポート

ホリエモンが出資する宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ社」のMOMO3打ち上げに、ABLabメンバーも現地支援スタッフとして参加してきました。その参加レポートを永楽さんから発表しました。

現地での具体的な仕事内容や、仲間とのエピソードなど、リアルな体験談を話してくれました。

宇宙医学

現役外科医の後藤さんを中心とするプロジェクト。宇宙医学というテーマで、まずは最新の研究結果等の情報を収集し、ブログ等でわかりやすく解説していく情報発信から始めていきます。一般人の宇宙旅行も現実味を帯びてきた今、宇宙医学は重要性を増してきているのです。

また、9月には医療者コミュニティとのコラボレーションでイベント開催も予定しており、医療×宇宙の輪を広げていく見込みです。

その他のプロジェクト

このようにABLabでは、様々なプロジェクトが並行して動いています。今回リーダーから発表したもの以外にも、ラジオでの情報発信、アパレルブランドのプロデュース、メディア運営、天体観測、LEGOクラブなど、「ビジネス」から「遊び」まで幅広く活動があります。

参加するもよし、新たに作るもよし。ABLabの予算も利用しながら、皆で楽しく宇宙に挑戦しているのがABLabです。

MVP表彰

ABLabでこの一年間、最も活躍した人を表彰する「ABLab MVP 2019」の表彰式を執り行いました。見事MVPに輝いた星さん、おめでとうございます。

表彰の詳細はこちらの記事をご覧ください。

https://ablab.space/lab/ablab-mvp-2019/

 

懇親会

最後は恒例の懇親会です。宇宙ビジネスの話、ABLabの話、プロジェクトの話、それぞれ楽しく交流できたのではないでしょうか。22時までと言いつつも、中締め後はなんだかんだで終電間際まで続いてしまいました。

そして、S-Boosterプロジェクトのメンバーはそこから徹夜の打ち合わせへと向かったらしい。若いですね(笑)

まとめ

ABLabの1周年イベント「ABLab Eclipse 2019」の内容をダイジェストで紹介しました。

ABLabに入りたくなった方、たった数クリックの行動で世界が変わります。まずは、下記URLのクリックから始めてみませんか?

https://community.camp-fire.jp/projects/view/86075

 

迷ってる方へ、ABLabに入会しなくても参加できるイベントがあります。行動だけが世界を変える。まずは誰でもできる超小さな行動「ワンクリック」からどうぞ。

https://j-sparc-2019-01.peatix.com/

https://www.facebook.com/events/499233144211128/

 

写真:なかいさん(@kbacana22

投稿者プロフィール

伊藤 真之
伊藤 真之代表理事
1983年、福島県生まれ。IT業界で約10年マーケティングの経験を積んだ後、ファンブック株式会社を設立し独立。2018年、当時小学1年生の息子と宇宙の勉強を始めたことがきっかけで、宇宙ビジネスの潮流を知り、半年後に宇宙ビジネスコミュニティ「ABLab」を創設。「地球上のすべての業界を、宇宙産業に巻き込む」というビジョンを掲げ、異業種から宇宙に挑戦する人や企業を支援し、事業創出と人材輩出に取り組む。