【開催レポート】ABLab定例会 宇宙×カルチャー編(11/29)

11月29日の定例会は、宇宙カルチャー推進協会代表理事の新井総さんをお招きし、「これからの宇宙時代のカルチャー」をテーマに開催しました。はじめに宇宙カルチャー推進協会の活動等を新井さんから伺い、その後、新井さんとABLabのメンバーとでフリーディスカッションを行いました。

開催概要はこちらの記事を参照ください。

https://ablab.space/lab/mtg-20181129/

宇宙カルチャー推進協会とは

宇宙カルチャー推進協会は、宇宙を文化として生活に根付かせることを目的として、2017年1月10日に設立された、一般社団法人です。宇宙をお勉強としてではなく、 もっと身近に生活に取り入れて楽しんで欲しいという願いから設立されました。宇宙飛行士の山崎直子さんや国立天文台の縣秀彦さんが顧問をされています。

活動内容

宇宙を文化にするために必要な情報の収集や発信、企画運営のコンサル・プロデュースなど、活動は多岐にわたります。「宇宙を使って何かしたい」「宇宙を身近にしたい」人たちをサポートし、宇宙カルチャーを文化として根付かせようとする活動をしています

活動実績の紹介

「宇宙×〇〇」ではなく、「〇〇×宇宙」とすることが大事だと言う新井さん。我々の身近なものをベースとし、そこに宇宙を取り入れていく。そうすることで、難しそうな印象を与えずに、すんなりと宇宙を受け入れられてもらえるとのこと。活動実績をいくつかご紹介いただきました。

アクセサリー×宇宙

MODE DE GALAXIEのWebサイトより引用

MODE DE GALAXIE(モード・ドゥ・ギャラクシ)というアクセサリーブランドがあります。

このブランドは「わりと正確な宇宙アクセサリー」と銘打って、星間の相対距離もなんとなく表現されている、こだわりの詰まった作品を届けています。

食器×宇宙

宙座工房のWebサイトより引用

宙座工房TeruTeruzaという宇宙グッズを製作・販売しているブランドがあります。

写真は、宙座工房さんから販売されているお皿です。なんとこのお皿、重ね合わせると星座早見盤として使えちゃうんです!食事中でも宇宙を身近に感じられますね。

演劇×宇宙

宇宙食堂のWebサイトより引用

日本で唯一、宇宙モノ専門で演劇をしている宇宙食堂という演劇ユニットがあります。今回のゲストの新井さんを中心に、2007年2月旗揚げされたユニットで、ジャンルを「スペース系ノスタルジック活劇」と定義し、宇宙を舞台に、ダンス・アクション・映像をも取り入れた、4次元完全エンターテインメントを繰り広げています。月の地下の横穴に建設された月都市を舞台にした物語を上演していたところ、その後本当に月の地下空洞が発見されました。この物語のような世界が、将来本当に実現するかもしれませんね。

街×宇宙

宇宙をテーマに商店街でイベントを企画するなど、町おこしへの貢献実績もあります。

国立天文台がある三鷹では、星と宇宙をテーマにした特別なM-マルシェ星マルシェを企画/運営されました。

また、ABLabの定例会を行なっているここ渋谷でも、桜丘町でイベントを支援したとのこと。宇宙を旅した種から育った「宇宙桜」の苗木を、地域の中心にある渋谷インフォスタワーの脇に植えたそうです。宇宙桜は、普通の桜よりも早く成長するそうです。なぜそうなるのかは未解明とのこと。不思議ですね。

なぜ異業界の人間が、立て続けに実績を出せるのか?

上記で紹介した以外にも「〇〇×宇宙」の実績を数多く紹介していただきました。なぜ宇宙産業の人ではなかった新井さんが、短期間でこれほど多くの実績を出せているのか?理由をお聞きしました。

1つ目は、競合がいないから。現在、衛星利用などの宇宙ビジネス関連の企業はありますが、宇宙カルチャーを専門にしている企業はありません。ファーストペンギンとして行動していったからこそ、多くのチャンスをつかむことができたのです。宇宙産業はまだまだ未開拓です。今参入することで、様々な分野においてチャンスに満ちています。

2つ目は、宇宙産業が閉じられた産業だからです。これまではどうしても限られた人たちの業界で、似たような価値観の人が集まる、多様性の低い産業でした。そこに、他分野の知識を持つメンバーが多数在籍する宇宙カルチャー推進協会が関わることで、かなりエッジの効いた集団となり、新たな価値が創造されています

筆者自身も、この指摘には共感しました。他分野の価値観を認め合い、多様性の高いチームで協力し合って活動していくことが重要になりそうですね。

「〇〇×宇宙」あなたの〇〇は何?

現在、宇宙というと理系っぽさや難しそうなイメージがあります。しかし、そのイメージを払拭しなければ、同じ価値観の人ばかりで業界が構成されてしまい、イノベーションが生まれません。だからこそ、「〇〇×宇宙」で、宇宙に触れる敷居を低くし、より多くの人に宇宙を身近に感じてもらうことが重要です。

ABLabでも、「〇〇×宇宙」で宇宙ビジネスの敷居を下げるような活動をしています。カフェバー×宇宙、音楽×宇宙、VR×宇宙などのプロジェクトが現在進行しています。これらのプロジェクトの成功には、異分野の方々の協力が欠かせません。

今、宇宙を知らない方にこそ、宇宙産業で成功するチャンスがあると思います。あなたの得意分野は何ですか?

あなたの〇〇に、宇宙を掛け算してみませんか?

投稿者プロフィール

三ツ矢
機械科の大学生。宇宙開発に興味があり、ABLabに参加。宇宙へ行くマシンを自分の手でつくりたい。趣味はボードゲーム、読書、旅行など。